2023年6月23日に国宝への指定が答申されていた熊本県にある通潤橋が、
2023年9月25日、晴れて国宝認定されました。
【国宝認定】通潤橋ってなに?
通潤橋(つうじゅんきょう)とは、
熊本県上益城郡山都町(やまとちょう)にある石で出来たアーチ状の橋で、
中央上部の両側に放水口が設置されてあり、
農閑期には観光客用として、15分程度の放水を行っています。
もともとは水路の内部にたまった泥や砂を取り除くための放水だったわけですが、
この放水風景がとにかく圧巻で、
全国から見に来る観光客も多いのです。
そして「橋」というからには、渡ることができるのですが、
この高さであるにも関わらず、
なんと通潤橋には柵や手すりが一切設置されていません。
それは一体なぜなのでしょう?
【国宝認定】通潤橋にはなぜ柵がない?
平らな橋の上を歩いて渡ることは
この景色の中ですので非常に気持ちが良いものですし、
水が出ている間も歩くことができますので、近くで観察できると人気でもあるのですが、
一歩間違うと、そのまま下に落ちてしまわないかとヒヤヒヤしてしまいます。
ではなぜ、柵がないのでしょう?
それは、本来、人が渡ることが前提として作られた橋ではないからだそう。
そもそもこの橋は「水路橋」と言って、
農業用水を送るために建設された橋なのです。
橋の上を人が通れるようになっているのも、メンテナンスのためであり
観光客が渡る前提で作られていなかったため、手すりが一切ありません。
ということは、落ちた人がいるのでは・・・?
と心配になります。
【国宝認定】通潤橋から落ちた人はいる?
実際、通潤橋から転落した人はこれまでの長い歴史で、一人もいないそうです。
一歩間違うと落ちてもおかしくないような状態ですが、
どうして事故はおこらないのでしょう?
その理由は、観覧証と一緒にもらう、
たった一枚の用紙に詰まっていました。
細かすぎる「橋上の観覧の注意事項」
この注意事項が、とにかく細かいのです。
橋はできる限り中央を通行することをはじめとし、禁止事項は以下の通り。
さらには、
- 団体での見学の場合
- 子どもの見学時
- 介助が必要な方の見学の場合
・・・といった様々な方向けの注意もありますし、
風の影響を受けやすい傘などは、橋の上では使用が限られていたりします。
そして、これらの注意事項を守れない人は、申し込みを受け付けられません。
とても厳しい掟をそれぞれが守って、安全が保たれていたのですね。
とは言えあの高さを目の当たりにしたら、
おそらく誰も暴れようとは思わないと思います。笑
こうして柵がないことで、この熊本・山都町の景観は守られているのではないかと思います。
また、大自然の豊かさを無限に感じることが出来るのも、
観光地らしさより本来の用途のまま、保っているおかげなのだと感じます。
まとめ
国宝認定された通潤橋は、江戸時代に造られた石橋の中では、
アーチの直径、橋の高さ共に、日本最大!
そんな通潤橋に、なぜ柵がないか?落ちた人はいないか?ということについて、まとめました。
いかがだったでしょうか?
もし行かれる際には、くれぐれもお気をつけて楽しんでくださいね。
<注意>橋はいつでも見られますが、放水は一年中しているわけではありませんので、通潤橋の見学についてをご確認の上、足を運んでくださいね。